食物アレルギーは、血液検査や皮膚テストが陽性でも必ず症状が出るとは限らず、一方、陰性であってもごく稀に症状が出る場合があります。食物経口負荷試験は、アレルギーが疑われる食物を実際に食べて、症状を観察する試験です。この検査の主な目的は下記の2つです。
食物アレルギー治療の基本は、「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」 です。完全に除去をするより、早期から少量でも原因食物を摂取する方が治る可能性が高くなるといわれています。また不必要な除去は成長発達や生活の質に支障をきたします。
8:50 から 9:00 に受付します。
9:15 負荷試験を開始します (30-60分間隔で1から3回に分けて摂取していきます)。負荷試験中は、定期的に診察し、必要があれば処置を行います。
11 : 45 から 12:15 負荷試験終了後、問題がなければ帰宅とします。症状によっては院内待機とすることがあります。遅れて症状が出る場合がありますので、帰宅後は自宅で症状を観察していただき、なるべく外出を控えるようにしてください。
☆負荷試験後について
陰性の場合、自宅での摂取を繰り返し、次回受診日に最終的な判定となります。(最終判定)
陽性の場合、負荷試験前の摂取状況を維持してください。
*安全確保のため、時間をかけて行います。およそ2~3時間かかりますのでご了承ください。
*負荷試験当日の激しい運動や長時間の入浴はアレルギー症状を誘発する可能性がありますので注意しましょう。
*上記の症状の中で赤い色の症状は、時に後遺症を残す危険がある緊急性の高い症状です。帰宅後にこのような症状を認めたら、安静にさせて救急要請が必要です。エピペンを持っているお子さんは使用してください。
A. お手数をおかけいたしますが、負荷試験で使用する食品はご家族の方に御用意していただいております。月齢や年齢であらかじめ摂取する量が異なりますので、その都度説明いたします。また負荷試験では食べ切れる量を持参していただけたらと思います。
A. 中止する内服薬は、抗ヒスタミン薬と抗アレルギー薬およびステロイド薬です。また市販の感冒薬にも負荷試験に影響を与える成分 (マレイン酸クロルフェニラミン ・フマル酸ケトチフェン ・塩酸ジフェンヒドラミンなど) が含まれていますのでご注意ください。不明な場合は診療時間内に電話等でお問いあわせください。なお吸入薬、軟膏、点眼、点鼻薬は使用可能です。
A. 抗ヒスタミン薬は3日前、抗アレルギー薬は前日から中止してください。なおステロイド薬の内服は14日前から中止です。
例 5月13日に負荷試験の場合は5月10日から抗ヒスタミン薬の内服を中止してください
A. 負荷試験の前に医師が判断します。そこで、最終決定になりますので、検査の当日に発熱等がなければ負荷試験の準備をして来院ください。判断に迷うようなら診療時間内にお問い合わせください。
A. 症状が出現したとき、原因がわからなくなってしまいますので、ご遠慮ください。味付けに使用する場合、安全に食べられている実績のある食品のみとしていただきます。
A. 即時型反応が出現した場合、どの食品によるアレルギー反応かがわからなくなってしまうため負荷食品は1品目ずつで行います。
A. 負荷試験で食べられたら、負荷試験で摂取した量を上限として自宅で繰り返し食べてもらいます。次の外来までに数回摂取し、問題なければ、その量まで解除となります (負荷試験とし陰性となります)。
A. 負荷試験で摂取した量が上限ですので、その摂取した量が給食で食べる一食分に相当する量であれば、解除することができます。しかし運動や体調不良 (感染症や生理) で症状が出現する場合がありますので、日常生活の中で想定されるさまざまなイベントが重なっても症状が出ないことの確認が必要です。
A. 可能ですが、負荷試験当日に予防接種を受けることは避けてください。何らかの症状が出た際に負荷試験か予防接種のどちらによる影響であるのかの判断が難しくなるためです。